書店員のここだけの・・・でもない話 18 「重版」
こんにちは!
中山店のパート③です。
書店員話。お久しぶりねの更新です。
なんと約半年ぶり∑(゚Д゚)
さて皆さま、本に書いてあるこんな文字を見たことがあるんじゃないでしょうか?
今回は
「重版(じゅうはん)」について。
重版とは・・・
既刊の書籍を同じ版で増刷すること。
版を改めることがないのが前提です。
(
版を改めるとは、誤字脱字や内容を修正して刷り直すこと。「改版」または「改定」「改訂」などと言います。)
1回目に印刷されたものを
「初版」といい、本好きさんの中には「初版じゃなきゃ嫌!」という方も結構いらっしゃいますよね。
そして初版の在庫じゃ足りないぞとなった時に
重版されます。
たくさん売れれば何回も重版されるので、2017年最も売れたこちらの
『九十歳。何がめでたい』(佐藤愛子/小学館)は初版から約1年半の間に26回も重版されています
何回重版された本なのかは、本の後ろのほう(奥付といわれる部分)に書いてあります。
例えば今話題の
『君たちはどう生きるか』(吉野源三郎)
の岩波文庫版
奥付をみてみると…
1982年11月に初版が発行され、2018年1月、同じ版を使って82回目に印刷されたということが分かります。
版が改まった場合はどう書いてあるか?
最近改訂されました
『広辞苑』(岩波書店)の奥付
2018年1月に発行されたこちらは、1955年5月の初版から版を6回改め、その版を使った1回目の印刷ということです。
もしこの広辞苑が1回重版されたら「第七版 第二刷」となります。
ちなみに重版されることを
「重版出来」といいます。
ドラマ化されたコミックのタイトルにもなってますが…
『重版出来!』(松田奈緒子/小学館)
「
じゅうはんでき」ではなく
「
じゅうはんしゅったい」と読みます
ドラマでは本の重版が決まった時に主演の黒木華さんが「重版出来♪重版出来♪」と歌って踊ってました
それくらい重版は嬉しいこと。
お客様に求められているということなので。
しかしながら、長い期間品切れで、やっと重版された分が入荷したぞー!…と喜んでいると売れ方の勢いが弱くなるということもしばしば(ToT)(←書店あるある)
多くの書店に入荷するからなのか、お客様の熱が冷めてくるからなのか……。
なかなか難しいものなんです
≪追記≫
重版とは逆に、既刊の書籍の発行を終了することを
「絶版」といいます。
悲しい響き…
皆さま、読みたい本は絶版になる前に手に入れてくださいね(>_<)
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